さらにここ数ヶ月のMFとのバランス。日本代表の試合はMFから作られる。そういう意味で、
中田や中村、小野、稲本のプレーにフィットすることは非常に重要。この意味で、ヤナ+高原の
スタイルは、彼ら4人にシンプルな選択肢を与える。プレーを形作るときに、その動きによって
どちらを使うか、それがシンプルになるので「コンパクトなプレー」ができるようになる。
例えば、大久保と鈴木などは、アグレッシブなように見えて、この二人をツートップにすると、
どうしても、攻撃が単調になる。これはふたりの個性がかぶっていて、個々のプレースタイルと
MFからのボールのもらい方に共通する部分がでるためである。
次に、ここのところ無視できないのは久保だろう。高原には及ばないものの、比較的にオール
ラウンダーで、代表のMFにフィットすれば非常に面白い素材である。課題といえるのは、ここ
一番で結果(得点)を出すこと。東アジア選手権では2得点をあげたものの、内容的には4−5
点とれたはずである。MFに現段階では「合わしてもらうプレー」になることは必然で、これが
「ここに出させる」というプレーに変われば、高原も十分脅かすことのできるポテンシャルを
秘めてきる要注意FW。
明らかに格上との勝負、結果が望まれるワールドカップでは、これが重要な要素。経験のある鈴木
あたりをいかに抑えるかが出場機会をうかがう上で重要になる。
その鈴木は、そのガムシャラなプレーに最近「クレバー」さが出てきたように思う。ゲンクを離れ
てだいぶ経つが、もう27歳になる彼のスタイルにちょっとした変化が出てきていることに注目したい。
まさに歳の功。「裏へ出る」という彼も持ち味に、「ボールタッチ前のプレーでDFをかわす」とい
う部分が意図的に見えてきている。
さらにムラはあるものの、一時期の岡野やゴンを思わすようなアグレッシブな大久保。
彼は今のところスーパーサブに甘んじる可能性が高いが、主要FWのケガやイエローによる試合出場
停止などの時に、絶大な緊張と緩和を生み出すだろうと思われる。
一言で言えば、「非常に創造的」なFWだと言える。あと、得点への嗅覚も本物だと思われる。
日本代表では、2列目からのシュートも得点源。またフリーキックやコーナーキックからのプレーが
雌雄を決することも多いはず。ぞこで大久保の持っているセンスは十分に期待させられる。
また、エメルソンも帰化に2年ほどかかるものの、ちょっと気になるFW。
確か代表歴はないから、日本代表への出場権もあるはず。彼が入れば、またちょっと面白いバランス
が生まれる。全体的には、先発レギュラーでいてもおかしくない身体能力を持っている。
彼のキープ力と、シュート力は、やはり日本人にはないものがある。欲しいぞ。なん反則のような
気もするが。はやく認めろ。
山下、永井、黒部あたりも確かに捨てがたいが・・・まだまだ、かな。 |